手掌多汗症の特徴
手掌多汗症は、その名の通り手のひらに大量の汗をかいてしまう多汗症です。
よく、興奮した場面に遭遇すると「手に汗握る」といいますが、これは手掌多汗症の方でなくても起こりうることです。
しかし、手掌多汗症の方はそういった緊張する場面でなくても、普段から手のひらに汗をかいてしまいます。もちろん、緊張すればさらに大量の汗をかくことが多いです。
軽度の手掌多汗症は手のひらが湿る程度で済みますが、中度・重度になると水滴が確認でき、したたり落ちてしまうこともあります。
手掌多汗症の方の悩み
手掌多汗症でない方は、「別に手のひらに汗をかいてしまうだけだろう」と問題を軽視しがちですが、本人にとっては、非常に大きな悩み、ストレスとなってしまうのです。
・他人と手を握るのが不安
・本や新聞が湿る
・触れたものがベタベタになる
・人に触れるのが怖くなり、対人恐怖症に
・馬鹿にされたことがトラウマに
・ストレスによりさらに他の多汗症も併発
これらの悩みは大人だけでなく子供でも起こりうることです。大人なら相手も節度を保ってくれますが、子供同士だと遠慮なしに「○○君の手はべたべたして気持ち悪い」、「汚い」などと平気で言ってしまいます。
大人でさえ気にしてしまう事なのですから、子供にとっては大きなストレス・トラウマとなってしまう可能性もあります。もし、お子さんが手掌多汗症であるとわかった時には、早急に対策を講じるのが望ましいでしょう。
手掌多汗症に適した対策
手掌多汗症対策としては自分で行える対策、クリニックなどで行う対策があります。
手掌多汗症そのものを半永久的に完治させたい、というのであれば胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)がいいでしょう。
ただし、これには約90%以上の人が起こる副作用として代償性発汗があります。手掌多汗症が完治しても、それ以上に代償性発汗で悩む人もいますので、よく考えてから手術しましょう。
また、半永久的ではありませんがボトックス注射や皮膚科や美容外科で処方される塩化アルミニウムも手掌多汗症には効果があります。自分で行う対策としてはミョウバンを塗るという方法も一時的ではありますが効果的です。
また、クリニックで処方される塩化アルミニウムは一部の薬局でも手に入り、塩化アルミニウムを主成分とするオドレミンはネットでも購入でき、手掌多汗症に有効です。
手掌多汗症により日々の生活に支障が出ている、という方は重度の症状の方はクリニックで治療をするのがベスト。もしデートをする時、人と会う機会がある時だけ症状を緩和させたいというのであれば、事前にミョウバンや塩化アルミニウムなどで対策を講じるといいでしょう。
手掌多汗症は精神的な面もありますので、対策をしているから大丈夫!と思えるだけでも症状を緩和させる効果があります。
手掌多汗症の対策法
胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS) | |||
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持続性 | 半永久的 | 効果 | ◎ |
1回当たりの費用 | 高価(1回でOK) | 副作用 | 代償性発汗 |
ボトックス注射 | |||
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持続性 | 半年~1年 | 効果 | ◎ |
1回当たりの費用 | 高価(毎年かかる) | 副作用 | 内出血 |
ミョウバン | |||
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持続性 | 数時間~1日 | 効果 | △ |
1回当たりの費用 | 安価 | 副作用 | かゆみ・炎症 |
塩化アルミニウム | |||
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持続性 | 1日 | 効果 | ○ |
1回当たりの費用 | 安価 | 副作用 | かゆみ・炎症 |