9割が局所性多汗症

身体全体には汗をかかないが、手のひら、脇の下、足の裏など身体の一部分にだけ大量に汗をかいてしまうのが、局所性多汗症といいます。部位はさまざまありますが、多汗症の実に9割がこの局所性多汗症なのです(1割は全身性多汗症)。

局所性多汗症症状は個人差があり、したたり落ちるほど一部分から汗をかいてしまう人もいれば、じんわりとにじむ程度、または場面によって症状が異なる人もいます。

また、脇の下だけ、手のひらだけ、というように特定の一部分だけ汗をかくのではなく、脇の下と手のひら、手のひらと足の裏、というように2箇所、3箇所一緒に発汗するケースもあります。

局所性多汗症の原因

局所性多汗症は、自律神経の乱れが原因で大量に発汗してしまう傾向にあります。そのため、精神的な面を解消することで汗をかかなくなることもあります。

また、多汗症の部位によって交感神経を切除する方法や汗腺そのものを取り除いてしまう手術方法もあり、精神的な面を解消できない場合には外科的方法も有効手段となります。

根本的な理由が自律神経の乱れからくるのですから、治療している、と思うだけで症状が軽減されることもあるのです。逆に、何もしないと、「また汗をかいてしまうのではないか」という不安がうまれ、さらに症状が悪化してしまうことも考えられます。そのため、ただの汗っかき、として諦めるのではなく、早急に何かしらの治療を施すといいでしょう。

局所性多汗症になりやすい部位

汗を大量に各部位は人それぞれですが、ある程度よくみられる部位があります。それにより呼び名が異なります。

◎手掌多汗症
手のひらに大量に汗をかきます。軽度の手掌多汗症であれば、手のひらが湿っている程度ですが、重度になると汗の水滴ができたりします。興奮・緊張した時に「手に汗握る」のとは異なり、常に手のひらに汗をかいてしまいます。
◎腋窩(わきの下)多汗症
運動をした後や暑い日、緊張した時などには普通の人でもわきの下に汗をかきます。ですが、腋窩(わきの下)多汗症は通常時、冬の寒い日でもわき汗をかいてしまいます。わきがと混同されることもありますが、腋窩(わきの下)多汗症はあくまでエクリン腺からでる無色無臭の汗ですので、基本的には強烈な臭いを発することはありません。
◎足蹠(足の裏)多汗症
緊張した時、暑くもないのに足の裏に汗をかくのが足蹠(足の裏)多汗症です。靴下のまま家に上がると床に汗で足跡ができてしまう、家に帰ってきて靴や靴下を脱ぐと強烈な臭いが発生する場合も足蹠(足の裏)多汗症である可能性があります。
◎頭部多汗症
頭部も汗をかきやすい部分ですが、頭部多汗症は暑さや緊張する場面でもないのに髪の毛が濡れている、汗がしたたり落ちてしまうという症状になります。他人からも見られてしまう部位なので、汗が出れば出るほど緊張してさらに汗がでてしまうという悪循環になりがちです。
◎顔面多汗症
他の局所性多汗症のように、隠すことができないのが顔面多汗症です。普段から顔に汗をかいてしまい、タオルで拭ってもどんどんでてきます。顔は他人に見られる部位ですので、汗をかけばかくほど焦って症状が悪化してしまいます。男性はタオルやハンカチで拭うこともできますが、女性は化粧が崩れてしまうので大きな悩みとなります。

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