傷口が小さく、費用もリーズナブルな吸引法

吸引法での治療美容外科手術で、皮膚に器具を挿入して余分な脂肪を吸引するのをテレビや雑誌などで見たことがある方は多いのではないでしょうか。多汗症の手術でも吸引法はあります。実はこの吸引法も、脂肪を吸引する方法も原理は同じことなのです。

ただ、多汗症の手術では、脂肪ではなく皮膚の下にある汗腺を吸引します。それにより汗腺が除去され、多汗症の症状が緩和されます。

汗腺を除去する方法として、メスで切開して直接汗腺を確認しながら除去する直視下摘除法(剪除法)があります。それと同じ原理で行う吸引法は、器具を挿入するために1cm程度しか切開しないので、傷も目立ちにくく、肌への負担を軽減できます。費用面でも比較的安くできるのが特徴です。

しかし、吸引法は完全に汗腺を除去するのは不可能と言われ、一般的には慣れた医師でも50%程度の汗腺しか除去できないそうです。そのため、重度の多汗症の場合は、吸引法を行っても大きな改善は見込めません。それどころか、術後すぐに汗が出てきてしまう場合もあるようです。

費用も比較的安いとはいえ、10万円以上はかかりますし、小さいとはいえ傷も残ります。それでいて高い効果が期待できないとなると今はニーズも少なくなり、吸引法を単独で行うクリニックはほとんどありません。

吸引法の概要

部位 わきの下
手術時間 約30分
手術回数 1回
効果 50%程度の汗腺除去のため、汗・臭いを完全になくすことはできない。
持続期間・再発 除去した汗腺は再生しないが、汗腺が残るので術後すぐに汗、臭いがある。
(※思春期にアポクリン腺は増加するので思春期に受けた方は再発の恐れあり)
傷跡 1㎝切開するので、その痕が残るが傷跡は小さい。
術中の痛み。 局所麻酔のため、痛みはなし。
術後の痛み 麻酔が切れると多少の痛みがある。痛み止めの薬が必要(1~2日程度)。
副作用 ほとんどなし。
入院 不要
通院 クリニックにより、0~2回(抜糸・検査)。
脱毛効果 ほとんど効果なし。
わきがへの効果 ほとんど効果なし。
術後の生活 わきの下を軽く固定するので、激しい運動は避ける。翌日からシャワーは可能。入浴は抜糸後。
費用 10~20万円

吸引法はこんな方にオススメ

直視下摘除法(剪除法)は完璧に多汗症を治したい、という方にオススメではあるのですが、それでもやはりデメリットも少なからずあります。そのデメリットによっては、別のやり方のほうがいい人もいます。

吸引法をオススメしたい方

・軽度の腋窩(わきの下)多汗症の方
・症状が軽減する程度でも構わない

吸引法はオススメできない方

・腋窩(わきの下)多汗症以外の多汗症
・重度の腋窩(わきの下)多汗症
・わきがの方
・少々の傷跡も気になる
・術後も安静に(特に脇の下)できない
・痛みに弱い

吸引法を行うクリニック選び

吸引法は、汗腺の取り残し、それによる再発が多いため、最近は吸引法単独で行うクリニックはほとんどなくなってきています。

ただ、直視下摘除法(剪除法)に比べて傷跡が小さく済む、軽度の多汗症、症状の軽減程度には効果がある、などメリットもあり、他の治療法と組み合わせて施術するクリニックはあります。そのため、その方法によっては、単独の吸引法よりも効果がアップするケースも多々あるのです。

傷跡をあまり残さず、それでいて効果もアップさせたいというなら、吸引法+αの治療を行うクリニックを選びましょう。

クリニック選びのポイント

・実績、症例数が豊富
・+αの部分の説明が明確
・費用面

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