多汗症の手術方法による違い
多汗症の手術といっても、様々な手術方法があるという事をご存知でしょうか。
その術式によって、効果のある多汗症の部位や持続性、傷跡、痛み、費用など異なってきます。手術で影響を与える部位も、汗を出す汗腺そのものと発汗の指令を出す交感神経に分けられ、それにより効果や副作用もさまざまです。
たとえ目的の多汗症の症状が解消されたとしても、後々の副作用が生活に多大な影響を与えてしまうこともあります。そのため、メリットばかりでなくデメリットについてもよく理解してから手術することをおすすめします。
また、本来の目的は多汗症の症状を軽減することですが術式によって、わきがの症状の解消・軽減、脱毛効果があります。そのため、自分の多汗症の症状、ライフスタイルに合わせた手術方法を選ぶのが望ましいです。
多汗症の手術方法と主な特徴・効果
直視下摘除法(剪除法) | |
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持続力 | 半永久的 |
部位 | 脇の下 |
術中の痛み | なし (麻酔のため) |
傷跡・副作用 | 残る・なし |
吸引法 | |
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持続力 | 吸引した汗腺は半永久的 |
部位 | 脇の下 |
術中の痛み | なし (麻酔のため) |
傷跡・副作用 | 小さい・なし |
ボトックス注射 | |
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持続力 | 半年~1年 |
部位 | 全身 |
術中の痛み | 注射による痛み |
傷跡・副作用 | なし・内出血 |
交感神経遮断術 | |
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持続力 | 半永久的 |
部位 | 手掌または足の裏 |
術中の痛み | なし (麻酔のため) |
傷跡・副作用 | 小さい・代償性発汗他 |
腰部交感神経節ブロック | |
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持続力 | 1~5年 |
部位 | 足の裏 |
術中の痛み | あり (点滴で軽減) |
傷跡・副作用 | なし・代償性発汗/射精障害 |
レーザーサクション法 | |
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持続力 | 半永久的 |
部位 | 脇の下 |
術中の痛み | なし (麻酔のため) |
傷跡・副作用 | 小さい・なし |
ミラドライ | |
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持続力 | 半永久的 |
部位 | 脇の下 |
術中の痛み | 熱によるわずかな痛み |
傷跡・副作用 | なし・しびれ/つっぱり感 |
手術方法を選ぶポイント
術式が多すぎて「どれが自分にとってベストなのかわからない…」という方へ、手術方法を選ぶ際のポイントを紹介します。
まずは、自分の多汗症が、身体のどの部位の症状が酷いのかを確認しましょう。主な部位としては、脇の下、手のひら(手掌)、足の裏(足蹠)があります。身体全体という方もいらっしゃるでしょうが、その中でもより気になる部位、汗が多い部位を解消できる方法を選びましょう。
術式によって、効果も持続力も違います。半永久的に解消したいのか、一定期間だけでもいいので解消したいのか、または完全に汗が止まらなくてもいいのか、など自分の気持ちに合わせて選びましょう。
特に女性は身体に傷跡が残るのが気になるでしょう。多汗症の手術のほとんどは、他人に見られるほど大きな傷跡は残りませんが、少しの傷でも気になる方は、傷跡が残らない術式を選びましょう。
たとえ悩んでいた多汗症の症状が解消されても、術式によっては、それ以上に副作用で悩んでしまう人もいます。そのため、副作用やリスクについても熟知した上で術式を検討しましょう。
術式によっては何十万円もかかる場合もあります。軽症の場合は、安い方法を用いてもいいかもしれません。
※手術方法を選ぶのも重要ですが、それを行うクリニック選びも大切なポイントになります。技術力・実績によって効果も副作用も変わってくることもありますし、費用面もローンやクレジット払いが可能なところもあります。また、クリニックにより得意な手術方法、行っていない術式もありますので、しっかりチェックしておきましょう。